江別市では、「江別の顔づくり事業」の一環として、低炭素社会の構築や地域活性化、放置自転車対策を目的に、JR野幌駅周辺地区においてサイクルシェアリング「のっちゃり」を展開しています。
JR野幌駅と北海道情報大学に設置された専用駐輪ポートを拠点に、JR野幌駅から北海道情報大学への通学に利用する会員(42名)と、自宅から野幌駅までの通勤に利用する会員(42名)が、50台の自転車をシェアリングする仕組みです。
共有する自転車は、通勤・通学に利用するには十分な性能を持ち、丁寧なメンテナンスが行き届いている上、1シーズン(8ヶ月)3000円と安価で借りることができるため、毎年84名の募集定員が早い段階でいっぱいになるそうです。
実施にあたって、随所に市民の意見が取り入れられている上、計画・運営には行政、地元商工団体、北海道情報大学、市内の自転車商組合が横断的に携わっており、地域の連携を強く意識した取り組みとなっています。
ライトには非摩擦型のものが取り付けられています。利用者の身体に負荷がかかりません。また、ライトの明るさも充分で、夜道も安全に走れます。
『地域に根ざした「のっちゃり」を』
「江別の顔」の一つとして、地域に根ざした取り組みにするため、この「のっちゃり」には市民の意見が随所に取り入れられています。
例えば、企画の段階では、市民に向けて「自転車利用実態調査」「野幌地区住民アンケート」など複数のアンケート調査を実施することで、市民の自転車利用に関する意見を構想に取り込んでいます。さらにレンタル用の自転車を作る際にも、車体のカラーや仕様について市民アンケートを実施していたり、この名前「のっちゃり」も市民から愛称を募集することで決定していたりと、取り組みの節々において市民の意見が積極的に取り入られています。
その計画・運営についても、野幌駅周辺地区サイクルシェアリング運営協議会として、行政から地元商工団体、北海道情報大学、市内の自転車商組合など、江別市の各団体が横断的に携わりながら、これまで進められてきています。
市民から団体まで、地域の主体が一つとなることで、地域に根ざした「のっちゃり」を作りあげます。
『優れた運営管理システム』
質の良いサイクルシェアリングを提供するため、地域の意見を利用者の視点から取り入れることで、優れた運営管理システムを構築しています。
基本的な利用のシステム(流れ)としては、専用駐輪ポートに置かれている自転車の番号を確認し、ICカード開閉式(利用者には手続きの際にICカードを配布)のキーボックスから同番号の鍵を取り出して、自転車を利用する、といった形をとっています。利用者はICカード一つで、簡単に自転車を利用することが可能になっています。
この自転車の鍵には、RFIDタグが取り付けられており、これによって鍵の貸出・返却情報が管理サーバーに送られ、いつ、誰が、どのように利用しているか、管理用パソコンで確認することができます。管理サーバーに送信されたこれらの情報を管理・集計することで、不正な利用者を把握することや、利用自転車の偏りから日々の自転車利用状況の推移など、安全かつ適切な利用方法を管理することが可能になっています。
JR野幌駅の専用駐輪ポートにあるICカード開閉式のキーボックス。ICカードをかざし、鍵を取り出すだけで、直ぐに自転車の利用が可能です。
また、シェアを通して、人と人の繋がりが形成され、様々な付加価値を生み出すこともできます。この「のっちゃり」であれば、公共交通利用促進に必要となる横断的な連携体制の強化や、市民への環境意識の喚起などが生まれ、地域の環境づくりに繋がります。
「シェア」をするという選択は、生活の様々な場面で沢山あふれているはずです。リユース品の利用なども一つのシェアの形です。日常の中でできることから、取り入れてみてはいかがでしょうか。
[本件に関するお問合せ]
「サイクルシェアリングの概要」のHP(江別市役所)はこちら サイクルシェアリングのっちゃりの資料(pdf)はこちら