帯広市は、市民生活の足を維持・確保し、少子高齢化社会に対応するとともに、過度な自動車社会から抜け出し、低炭素社会の実現を図るため、バス利用の促進を主として、より環境負荷の少ない公共交通や自転車などの様々な移動手段(=モビリティ)の利用促進を図る施策(=マネジメント)を展開しています。
その取り組みの一つ、一般社団法人交通環境まちづくりセンターが運営する「エコバスセンターりくる」は、行政でもバス事業者でもない第三者の視点から、モビリティを多方面から支援する取り組みを進めています。
市内交通の総合案内所としての機能をはじめ、路線バスに持ち込み可能な折りたたみ自転車のレンタルサービス、路線バスに使われるバイオディーゼル燃料となる使用済みてんぷら油の回収、公共交通利用促進に資する情報の発信、小学校・中学校での環境教室の実施などを広く展開しています。
行政、バス事業者と地域を結ぶ架け橋となり、地域を巻き込む形で多角的な事業を展開し、環境意識の喚起を図ることで、より環境負荷の少ない移動手段の利用促進につとめています。
折りたたみ自転車のレンタル料は1時間100円、1日1000円。自転車を折りたたんで専用の袋にいれることで、路線バスに乗せることが可能です。
来年度はサービスを拡張し、電動アシスト付自転車・マウンテンバイク等もレンタルできるようになるそうです。
ここでは、エコバスセンターりくるが実施している取り組み「りくるレンタサイクル」「集めればエネルギー」「交通からみる環境問題教室」について、それぞれ焦点を当てご紹介します。
『りくるレンタサービス』
このりくるレンタサービスは、バスに持ち込むことが可能な折りたたみ自転車を貸し出すことで、路線バスと自転車の利用促進を図るとともに、地域における一つの観光資源として、路線バス事業者と連携の元、実施されている取り組みです。
自転車を路線バスに持ち込むことで、郊外地でも行動範囲が拡大し、より地域の魅力に触れることができます。また、この自転車は一時間刻みで借りることが可能なため、市民のちょっとした買い物やサイクリングにも使いやすくなっています。
帯広市では、家庭から出る「使用済みのてんぷら油」を回収し、それを精製したバイオディーゼル燃料で路線バスを走らせるという、環境負荷低減を狙った取り組みが実施されています。エコバスセンターりくるは、その主体の一つとしててんぷら油の回収を行っています。
集まったてんぷら油は、NPO法人十勝エネルギーネットワークが回収し、バイオディーゼル燃料を製造している㈱エコERCの工場に届けられます。そのてんぷら油分のバイオディーゼル燃料がバス事業者に提供される仕組みになっています。
てんぷら油の回収場所は、エコバスセンターりくる入り口の他に、路線バスの車内、スーパーなど様々なお店・施設で行っており、どこでも手軽に使用済みのてんぷら油を提供して環境負荷低減の取り組みに参加することが可能です。
『交通から見る環境問題教室』
交通を取り巻く環境問題について知ってもらうとともに、環境に優しい交通行動をしてもらうため、バス事業者、民間事業者、行政などと連携して地域の小学校を対象に環境問題教室を開講しています。交通に関する環境問題から、環境負荷の低い交通利用方法、バスの乗車指南、バイオディーゼル燃料の活用などについて講義を行っています。
主な講義対象は小学生となっていますが、より良い交通利用を促進するため、中学生、高校生、高齢者など様々な年代に向けても、定期的に教室を実施しています。
この実現を図るためには、「エコバスセンターりくる」のような、行政と民間、そして地域を繋ぐ架け橋となる役割が必要になるとともに、その地域課題の解決に向けて、市民が呼応し、地域づくりに参加することが非常に重要となります。公共の形が変わろうとしている今、担い手の一人として、できる範囲で地域づくり(地域課題の解決を図る取り組み)に参加してみてはいかがでしょうか。
[本件に関するお問合せ]
エコバスセンターりくるのHPはこちら 帯広市地域公共交通総合連携計画のHP(帯広市役所)はこちら
一般社団法人 交通環境まちづくりセンター
Tel:0155-23-5920 Fax:0155-23-5921